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コラム


2025年09月12日

防災トイレに耐久性は必要?過去の災害時の問題や解決策を紹介

防災備蓄において、非常食や水と並行して「トイレ対策」は万全でしょうか?
過去の大規模災害では、断水や停電により多くのトイレが機能停止に陥りました。
劣悪な衛生環境は従業員の健康を脅かし、事業継続の大きな障壁となり得ます。

本記事では、過去の災害で実際に起きたトイレ問題や、従来の対策が抱える課題を解説します。
ぜひ貴社の事業継続計画の見直しや、防災力強化の参考にしてください。

過去の災害から学ぶトイレ問題

過去の大規模災害において、トイレは常に深刻な問題として浮上してきました。
建物の倒壊やインフラの停止により、普段当たり前に使っている水洗トイレが機能しなくなるためです。

ここでは、過去の災害で実際に顕在化した4つの問題点を見ていきましょう。

  • 排水設備の破損によるトイレの機能停止
  • 家庭でのトイレ使用不可と汚水溢れのリスク
  • 災害時における衛生環境の悪化と健康リスク
  • 水や食料よりも早く必要になる生理現象への対応

これらの問題は互いに関連し合っており、避難生活の質を著しく低下させるだけでなく、命に関わる事態を引き起こす可能性をはらんでいます。

参考資料:国土交通省「災害時のトイレ、どうする?」

排水設備の破損によるトイレの機能停止

大規模な地震が発生すると、排水設備が広範囲にわたって破損するおそれがあります。
建物が無事でも、その先の下水道管や浄化槽、下水処理場が被災すればトイレの汚水を流せません。

実際に2004年の新潟県中越地震では、多くのトイレが使用禁止の張り紙をされたにもかかわらず、使用されてしまい悲惨な状態になったと報告されています。
たとえ敷地内に井戸水があったり、お風呂に水を溜めていたりしても、排水インフラが機能していなければ、水を流す行為自体が新たな問題を引き起こします。

家庭でのトイレ使用不可と汚水溢れのリスク

排水設備が機能していない状態で無理に水を流すと、行き場を失った汚水が逆流する危険性があります。
自宅の便器から汚水が溢れ出たり、敷地内のマンホールから噴出したりするかもしれません。
1995年の阪神・淡路大震災では、避難所のトイレが排泄物やゴミで埋め尽くされ、元の形が分からないほどだったと伝えられています。
水が流れないという状況を理解せずに誰か1人が使ってしまうだけで、そのトイレはたちまち使用不能となります。
そうなれば、建物内の衛生環境は著しく悪化してしまうでしょう。

災害時における衛生環境の悪化と健康リスク

使用できなくなったトイレや屋外での排泄は、深刻な衛生問題を引き起こします。
汚物に含まれるウイルスや細菌が増殖しやすくなるためです。
とくに避難所のような集団生活の場では、水の不足から手洗いなどが十分にできず、感染症が広がるリスクが高まります。
さらに、被災による体力低下や栄養不足、精神的なストレスは体の免疫力を低下させるでしょう。
このような状況下では、普段なら問題にならないような病原体でも、容易に感染症を引き起こし、集団感染へとつながるおそれがあります。

水や食料よりも早く必要になる生理現象への対応

災害への備えとして、多くの人は水や食料をイメージします。
しかし、人間がもっとも早く直面し、我慢できない問題がトイレです。
排泄は数時間単位で必要となる生理現象です。
過去の調査では、熊本地震の際に地震発生から6時間以内にトイレに行きたくなった人は約8割にのぼりました。

東日本大震災でも、約7割弱が同様の状況でした。
この事実は、水や食料の確保以上に、トイレ対策が緊急性の高い課題であることを示しています。

災害時にトイレの備え不足が引き起こす二次災害

使用できるトイレがないという状況は、単なる不便さにとどまりません。
それは避難者の心身に深刻な影響を及ぼし、さまざまな二次災害を引き起こす引き金となります。

トイレ不足が原因で発生する、4つの重大な問題を解説します。

  • トイレ我慢が招く深刻な健康リスク
  • エコノミークラス症候群との関連性
  • 劣悪な衛生環境が生む感染症の蔓延
  • 精神的なストレスと尊厳の喪失

これらは避難生活の質を著しく低下させ、ときには命を脅かす危険な状態です。

参考資料:埼玉県「家庭における災害時のトイレ対策編」
参考資料:滋賀県「考えよう!災害時のトイレ」

トイレ我慢が招く深刻な健康リスク

劣悪な衛生状態のトイレを使いたくないという気持ちは、人間の自然な反応です。
しかし、その思いがトイレに行く回数を減らすための行動につながり、深刻な健康問題を引き起こします。
具体的には、水分や食事の摂取を控えるという行動に走りやすくなるでしょう。
水分摂取が減ると体は脱水状態に陥り、食事量が減れば、体力や免疫力が低下してしまいます。

このように、劣悪なトイレ環境は、避難者の健康状態を悪化させる負の連鎖を生み出します。

エコノミークラス症候群との関連性

トイレ問題をきっかけとした水分摂取の減少は、エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)のリスクを著しく高めます。
体内の水分が不足すると、血液が濃縮されて血栓、つまり血の塊ができやすくなります。
その状態で、車中泊や避難所で長時間同じ姿勢を続けることで、足の静脈にできた血栓が肺に移動し、呼吸困難などを引き起こすからです。
避難所生活のストレスやプライバシーの問題なども複合的な要因となります。
しかし、トイレを我慢することが、この命に関わる病気の引き金の1つであることは間違いありません。

劣悪な衛生環境が生む感染症の蔓延

汚物が適切に処理されない環境は、ウイルスや細菌の温床となります。
とくに避難所のように多くの人が密集し、水が不足しがちな状況では、ノロウイルスやインフルエンザといった感染症が集団発生しやすくなります。

被災者は、慣れない環境でのストレスや栄養不足により、免疫力が低下している状態です。
そのため、通常時よりもはるかに感染症にかかりやすく、重症化するリスクも高まります。

精神的なストレスと尊厳の喪失

清潔でプライバシーが守られたトイレを使えることは、人間が尊厳を保つうえで不可欠な要素です。
災害時、屋外の仮設トイレまで暗く危険な道を行かなければならなかったり、多くの人の前で用を足さなければならなかったりする状況は、大きな精神的苦痛を伴います。

とくに、足腰の不自由な方や和式トイレに慣れていない子ども、そして女性にとっては、トイレに行くこと自体が恐怖やストレスになり得ます。
このような経験は、人の自尊心を深く傷つけ、避難生活を乗り越える気力さえも奪ってしまう可能性があるのです。

現在主流の防災トイレの種類や耐久性

災害時に利用されるトイレには、いくつかの種類が存在します。
それぞれに異なる特徴や役割があり、状況に応じて使い分けることが肝心です。

ここでは、代表的な3つの防災トイレについて紹介します。

  • 携帯トイレ
  • 仮設トイレ
  • マンホールトイレ

防災トイレは発災直後から復旧まで、時間の経過に合わせて組み合わせて運用されるのが一般的です。

参考資料:内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」

携帯トイレ

凝固剤や吸水シートで排泄物を固める、袋式のトイレです。
おもに、断水時でも建物自体が無事な場合に、自宅などの洋式便器に設置して使用します。

発災直後の迅速な対応に適しており、多くの製品が15年程度の長期保存に対応しているため、事前の備蓄が有効な手段です。
一般的には、発災から5日から7日分程度の備えがあると、急な災害にも対応しやすくなるといわれています。
誰でも簡単に使用できる点が大きなメリットです。

仮設トイレ

工事現場やイベント会場などで見られる、移動設置が可能なボックス型のトイレを指します。
災害時には避難所などに設置される主要な選択肢の1つです。
しかし、その多くは和式便器であり、足腰の不自由な方や子どもには使いにくいという課題がありました。

近年では、国土交通省が「快適トイレ」と名付けた、洋式で広くて使いやすいタイプの導入も進められています。
見かけた際には、快適トイレのステッカーが貼られているかどうかが、その性能を見分ける1つの目印になります。

参考資料:国土交通省「建設現場に設置する「快適トイレ」の標準仕様決定」

マンホールトイレ

下水道管に直接つながる専用のマンホールの上に、便器やテントを組み立てて使用する災害用設備です。

あらかじめ地面の下に特別な工事がされており、災害時にそのマンホールを開けて設置します。
汚物を溜めるタンクが不要で、汲み取りの必要がない点が大きな利点です。
全国で約4万6000基が、おもに避難所となる学校や市役所といった公共施設に設置されています。
ただし、その存在を知り、組み立ての訓練をしておくことが活用の前提となります。

参考資料:国土交通省「都道府県・政令市別 マンホールトイレ管理基数(令和5年度末)」

各種防災トイレが抱える運用上の課題

現在主流となっている防災トイレは、災害時の衛生環境を支える大切な役割を担います。
一方で、実際の運用場面ではそれぞれが特有の課題を抱えていることも事実です。

ここでは、防災トイレが直面する4つの運用課題を見ていきましょう。

  • ゴミ問題と備蓄数確保が困難な携帯トイレ
  • 設置までに時間を要する仮設トイレ
  • 衛生やプライバシーに難があるマンホールトイレ
  • コロナ禍で浮き彫りになったトイレ不足問題

これらの限界を正しく理解することは、より実効性の高い防災計画を策定するうえで不可欠といえます。

ゴミ問題と備蓄数の確保が困難な携帯トイレ

携帯トイレの最大の課題は、使用するたびにゴミが発生する点です。
災害時にはゴミの収集が長期間停止することも多く、大量に発生したし尿ゴミを各家庭や避難所で衛生的に保管し続けなければなりません。

また、1人あたり1日約5回の使用を目安に、数日分を備蓄する必要があるため、その量は膨大になります
たとえば4人家族で5日分を備える場合、約100回分もの量となり、保管スペースの確保が大きな負担となります。

設置までに時間を要する仮設トイレ

仮設トイレは、被災地への輸送と設置に時間がかかるという根本的な課題を抱えています。東日本大震災の調査では、避難所に仮設トイレが3日以内に届いたのは全体の34%に過ぎませんでした。

中には到着まで1ヶ月以上を要した地域もあり、発災直後のもっともトイレが必要な時期に間に合わないケースが少なくありません。
さらに、設置後も定期的な汲み取り作業が必須ですが、災害時にはバキュームカーがすぐに手配できない可能性もあります。

衛生やプライバシーに難があるマンホールトイレ

マンホールトイレは下水道に直結するため衛生的ですが、屋外に設置されるという特性上、運用面での課題も存在します。
雨天時のぬかるみや、夜間の照明不足は、利用者の安全を脅かす可能性があります。

また、多くの人が利用する中で清潔さを保つには、地域住民による管理体制が不可欠です。
安全面や防犯面、とくに女性が安心して使えるようなプライバシーへの配慮も肝要となり、平時からの訓練やルール作りが求められます。

コロナ禍で浮き彫りになったトイレ不足問題

新型コロナウイルスの流行は、避難所運営に新たな課題を突きつけました。
感染症対策として、避難所内を発熱者や濃厚接触者などの専用スペースに分ける必要が生じたためです。

これにより、各スペースに専用のトイレを設置する必要が生まれ、従来想定されていた数をはるかに上回るトイレが求められる事態となりました。
この経験から、体育館の倉庫や更衣室など、トイレ以外の場所にも柔軟に個別のトイレを増設できる簡易トイレの重要性が再認識されました。

循環型トイレという新しい防災の形

従来の防災トイレが抱えるさまざまな課題を解決するアプローチとして、近年「循環型トイレ」が注目されています。
これは、災害時にだけ特別な設備を用意するのではなく、日常的に使うトイレが災害時にもそのまま機能し続けるという新しい考え方です。

ここでは、循環型トイレが持つ3つの特徴を説明します。

  • 日常利用と災害時対応を両立
  • 処理水を再利用する環境配慮型の仕組み
  • 利用者の変動に強い安定した処理能力

災害発生から復旧までのあらゆる段階で、利用者にとって衛生的で快適なトイレ環境を提供し続けることを可能にします。

日常利用と災害時対応を両立

循環型トイレの最大の強みは、平時と災害時で役割を分けない点です。
普段は公園などの公衆トイレとして快適に利用され、災害が発生して断水や停電が起きても、特別な切り替え作業なしに機能を維持できます。

非常用の小規模な電源さえあれば、いつもと同じ感覚で水洗トイレを使い続けることが可能です。
これにより、仮設トイレの到着を待つ時間や、携帯トイレのゴミ問題、設置訓練の手間といった、従来の対策が抱えていた課題を根本から解消します。

処理水を再利用する環境配慮型の仕組み

循環型トイレは、内蔵された高度な浄化槽でし尿を処理し、その水を再びトイレの洗浄水として利用する仕組みを持っています。
中でも土壌微生物膜を利用した浄化槽「ソフィール」は、処理水の臭いや色をほとんど取り除くことが可能です。
そのため、利用者は常に衛生的な水洗トイレを使用できます。

外部からの給水に頼ることなく、システム内で水の循環が完結するため、大規模な断水が発生しても影響を受けません。
これは環境に配慮した持続可能な仕組みでもあります。

利用者の変動に強い安定した処理能力

公園や観光地のトイレ、そして災害時の避難所では、利用者の数が日や時間帯によって大きく変動します。
従来の浄化槽では、こうした急な変動によって処理能力が不安定になることがありました。

しかし、土壌微生物を利用したシステムは、栄養源の増減や温度変化に強く、常に安定した浄化性能を保てます
そのため、避難者数が日々変わるような状況下でも、特別な維持管理を必要とせずに、安定してトイレ機能を提供し続けることが可能です。

導入事例から見る循環型トイレのメリット

循環型トイレシステム「ソフィール」は、すでに全国の防災公園などで導入され、その有効性が実証されています。

ここでは、実際に防災拠点へ納入された2つの事例を取り上げ、その具体的なメリットを見ていきます。

  • ながとスポーツ公園(山口県⾧門市)
  • 松崎尾崎防災公園(宮城県気仙沼市)

これらの事例は平時の利便性向上と、有事の際の強力な防災機能とを両立できることを示しています。

ながとスポーツ公園(山口県⾧門市)

山口県長門市の「ながとスポーツ公園」は有事が発生した際、防災広場としての役割を担います。
この公園のトイレは、停電や断水時にも機能を維持することと、近隣河川への環境負荷を低減することが設計の主眼でした。

そのため、電力は太陽光発電と蓄電システムで賄い、トイレの洗浄水は「ソフィール」の処理水を再利用しています。
これにより、外部インフラが停止しても、通常時と変わらない衛生的な水洗トイレの継続利用が可能です。
日常の利便性と災害時のレジリエンスを両立させた、先進的な自治体の事例といえるでしょう。

松崎尾崎防災公園(宮城県気仙沼市)

宮城県気仙沼市の「松崎尾崎防災公園」は、市民の憩いの場であると同時に、津波襲来時の一時避難所という重要な役割を担います。
園内には避難築山も備えられており、逃げ遅れた人々の命を守る拠点となる施設です。
この重要な防災機能を持つ公園であることから、トイレ設備には「ソフィール」の循環システムが採用されました。

これにより、大規模な災害で断水が発生した際にも、避難者へ衛生的な水洗トイレを提供し続けることが可能です。
過去の教訓を未来の防災に生かし、住民の安全を確保する自治体の意志がうかがえる事例です。

ソフィールが災害時のトイレ問題を根本から解決

循環型トイレ「ソフィール」は、従来の災害用トイレが抱えていた多くの課題を、その独自の設計思想によって根本から解決します。
災害発生時に求められる迅速性、衛生、そして利用者の安心感を高いレベルで実現するシステムです。

ここでは、ソフィールがどのように災害時のトイレ問題を解決するのか、4つの特長から解き明かします。

  • 断水や停電時も不要な切り替え作業
  • 災害発生時の手間を一切省いた設計
  • 利用者の不安を解消する通常時と変わらない使用感
  • 下水道処理区域の避難所にも設置可能

これらは災害対応にあたる担当者の負担を軽減し、避難者へ質の高いトイレ環境を提供することに直結します。

断水や停電時も不要な切り替え作業

ソフィールは、災害発生時に特別な切り替え作業を一切必要としません。
断水しても、浄化処理した水を再利用するため、給水が止まる心配がありません。

システム全体の消費電力がわずかであるため、小規模な非常用電源や発電機を備えるだけで停電時も稼働し続けます
災害の混乱の中、トイレのために特別な操作を行う必要がなく、自動的に機能し続けるという点は、迅速な初動対応が求められる防災拠点において魅力です。

災害発生時の手間を一切省いた設計

災害時、トイレの確保には多くの手間が伴います。
仮設トイレは輸送や設置の手配が必要であり、マンホールトイレは地域住民による組み立て作業が不可欠です。

ソフィールは、これらの災害発生後に生じる手間を根本から解消します。
普段からそこにある水洗トイレが、そのまま防災トイレとして機能するため、新たに何かを設置したり、組み立てたりする必要がありません。
これにより、災害対応にあたる貴重な人的資源を、ほかの緊急性の高い業務に集中させることが可能となります。

利用者の不安を解消する通常時と変わらない使用感

避難生活において、トイレ環境の質は利用者の精神状態に大きく影響します。

ソフィールは、災害時においても普段と変わらない快適な水洗トイレを提供します。

衛生的で臭いもなく、プライバシーが守られた個室を使えることは、避難者の不安を和らげ、尊厳を守ることにつながるでしょう。
仮設の和式トイレなどに抵抗がある方にとって、使い慣れた洋式の水洗トイレが利用できるという安心感は、計り知れない価値を持ちます。

下水道処理区域の避難所にも設置可能

通常、浄化槽は下水道が整備されていない地域で利用されます。
しかし、2017年の制度変更により、避難所などの施設であれば、下水道が整備されている区域内でも浄化槽の設置が可能となりました。

このルールにより、都市部の学校や公民館といった主要な避難拠点にも、ソフィールのような循環型トイレを導入できます。
既存のインフラ状況に縛られることなく、もっとも防災効果の高い場所に設置できるという柔軟性は、自治体の防災計画の幅を大きく広げるものです。

防災トイレとして高度な浄化能力と優れた経済性

ソフィールが提供する価値は、災害時の機能性だけではありません。
その根幹を支える高度な浄化能力と、長期的な視点で見た優れた経済性も大きな特長です。

ここでは、ソフィールが防災トイレとして優れている4つの理由を紹介します。

  • 色も臭いもない衛生的な処理水
  • トイレ洗浄水や植栽への再利用
  • わずかな消費電力で実現する停電対策
  • 容易な維持管理と安いランニングコスト

それぞれ見ていきましょう。

色も臭いもない衛生的な処理水

ソフィールの最大の特徴は、土壌微生物膜を利用した高度な浄化能力にあります。
この技術により、し尿を処理したあとの水は、色や臭いがほとんどない衛生的な状態になります。

実際の処理水データを見ても、処理後の水は色や臭いがほとんどなく、透明度が高い水質です。汚水をただ溜めるのではなく、その場で浄化し無害化するこの能力が、衛生的で快適なトイレ環境の維持を可能にしています。
悪臭や汚水による感染症のリスクを根本から断つ、信頼性の高い技術です。

トイレ洗浄水や植栽への再利用

高度に浄化された処理水は、さまざまな用途へ安全に再利用できます。
おもな用途は、再びトイレの洗浄水として使用することです。

これにより、外部からの給水なしでシステムが完結し、断水中でも水洗トイレを継続的に利用できます。
さらに、その高い水質から、公園の芝生や植栽への散水用水としても活用可能です。
これは、施設の緑地管理に貢献すると同時に、貴重な水資源を有効活用する、環境配慮型の運用を実現します。

わずかな消費電力で実現する停電対策

ソフィールは、従来方式の浄化槽と比較して消費電力が少ないという特長を持ちます。
これは、システムの維持に必要なエネルギーが少なくて済むことを意味します。
そのため、停電時にシステムを稼働させるための非常用電源も、小規模なもので対応可能です。

これによって、発電機の導入コストや、災害時に必要となる燃料の備蓄量を大幅に削減できます。
経済的な負担を抑えつつ、確実な停電対策を実現できる点は、長期的な防災計画において大きなメリットです。

容易な維持管理と安いランニングコスト

ソフィールは簡単なメンテナンスと安いランニングコストが特徴です。
利用者の変動に左右されない安定したシステムであり、長期的な運用においてもコストが安定しているといえます。

携帯トイレが使用ごとに廃棄される消耗品であるのに対し、ソフィールは水洗トイレシステムです。
そのため、携帯トイレのような消耗品の購入や在庫管理の手間は不要です。
ソフィールの経済性の高さは、防災公園などへの導入事例からも示唆されています。

まとめ:防災トイレの耐久性が気になる場合はH.O.C株式会社まで

災害時のトイレ問題は、従業員の健康と尊厳に直結する重要な課題です。
従来型の防災トイレには運用面での限界があり、根本的な解決には至っていません。
循環型トイレシステム「ソフィール」は、平常時も災害時も変わらない水洗トイレ環境を提供し、企業の防災対策を大きく前進させます。
断水・停電時でも自動的に対応し、高度な浄化能力により衛生的な環境を維持できます。

H.O.C株式会社では、防災製品のラインナップとして、ソフィールをはじめ防災サイコロトイレ防災フレームトイレなど、各施設のニーズに応じた提案が可能です。
詳しい製品情報は製品カタログをご覧いただくか、お問い合わせよりお気軽にご相談ください。

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